今回は産業廃棄物処理業の営業活動について書いてみます。
私も会社の代表をさせていただいているとはいえ、会社にとって一番大切な営業活動の現場についてはまだまだ現役なのです。
くろがね産業には
環境事業部・・・産業廃棄物の処理・収集運搬
弾性材事業部・・・ゴムのリサイクル、再生ゴムチップの製造販売
という2つの事業部があります。
そのうち、私は環境事業部長を兼任しています。
この仕事の営業について、醍醐味は
「様々な企業の現場に伺える」
ということでしょう。
大手化学工場、精密機器製造工場、医薬品製造工場、食品工場・・・産業廃棄物とは簡単に言えば「産業活動に伴って生じる廃棄物」ですから、あらゆる製造の現場に伺って、現場確認やサンプル採取などを行います。
先日は大手石油精製工場の中で仕事をさせていただきました。大きなプラントが所狭しと稼働しているのを見ると、近未来にタイムスリップしたような気持ちになります。
私たちの生活にとって欠かせないもの、あると便利なもの、というのは、こういった製造過程を経て手元に届いているのだな~という感慨を覚えます。
そして、もちろん産業廃棄物処分場にも伺います。
焼却処分場、中和施設、再資源化工場から最終処分場(埋立て)まで、それぞれ廃棄物によって処分・リサイクル工程が違うので、色々な処理工場の得意分野を把握してお客様に提案していきます。
産業廃棄物は不要なもの、できれば出さないほうがいいもの、であるのは確かです。そしてそこにコストがかかり、それを最小化したいと企業が考えるのも当然です。
しかし、生産活動のなかで廃棄物をゼロにするということは現実的ではありません。廃棄物を資源化していく、というほうが正しい言い方でしょうか。
いまや企業の責任として環境への取り組みは欠かせません。不法投棄や廃棄物の転売などの法令違反はもちろんNGですが、廃棄物を正しく処理したくても処分方法が分からない、処分先が見当たらない、資源化したいけどどうしていいのか分からない・・・といったことに時間と労力が注がれています。
私たちの仕事は、そういった現代社会の中で、静脈産業として社会インフラの一翼を担っているといえるでしょう。
しかし、私たちが一番考えなければならないことは、お客様が本来の企業活動に注ぐ時間を最大化し、しっかりと利益を生むことに専念していただくことです。そうすることで、日本の産業を活性化させて豊にしていく、世の中をより良くしていくお手伝いをすることです。
だからこそ、専門知識を持っていることはもちろんですが、何よりお客様の立場で俯瞰的に廃棄物処理を考えることが大切だと思います。廃棄物のコストという近視眼的なものではなく、価値を最大化するためにどこにコストを投入するのかということです。
ただ単に、言われるまま廃棄物の処理を請け負ってくるだけの営業ではお客様にとって本当のお役立ちではないかもしれません。
本質を掴んで、広い視野で提案していくことが営業担当者には必要ですね。
そういったことでお客様に貢献できることも、もうひとつの醍醐味です。
CSR(企業の社会的責任)も大切です。しかし、私たちはもっとお客様にとって価値のある存在でありたいと願います。
だから、私たちはお客様とともにCSV(共有価値の創造)の関係を築いていきたいと強く思うのです。