組織運営

「幸せ」とは「貢献感」を得ること

前回の記事からは少し時間を遡って、昨年の話になります。

昨年最後のリーダーシップ勉強会のテーマは、「貢献感について」でした。

部下にどのように仕事を通じての幸せを感じてもらうか、
というのがリーダーとしての大きな課題です。

人は何のために働くのでしょう。
それは、「幸せになるため」に他なりません。
人は誰しも幸せになる権利があるし、それを追求しているものです。
では、何によって幸せを感じるのでしょうか。
私は、「他者に貢献していると感じられたとき」だと思います。

心理学者のアルフレッド・アドラーは

「公共に役立っているという感覚を得ることができ、
そう感じられる時にだけ劣等感を緩和できる」
「私に価値があると思えるのは、私の行動が共同体にとって有益である時だけである」

と述べています。
それを私なりに解釈すると、
「仕事・業務を通じての貢献感」、と「社会共同体としての貢献感」であると考えます。

ならば、リーダーとしては、部下にこの2つの貢献感を与えることが大切になります。

【仕事・業務を通じての貢献感】

従事する業務の大義名分を伝える。
どれだけ立派で重要な仕事をしているのかを理解してもらう。

【社会共同体としての貢献感】

感謝の気持ちを伝える。
「ありがとう」は「(ここにいてくれて)ありがとう」の意味。存在価値を認めること。

この2つを、事あるごとに伝えていくことが、よい社風を醸成していくポイントですね。

私自身、まだまだ出来ていませんので、しっかりやっていこうと思います。

勉強会は私が進行役になることが多いですが、
テーマを掘り下げて行くと自分自身にとって様々な気づきがあります。
また、参加者から出てくる意見についても考えさせられることが多くあります。
実は勉強会で一番教えられているのは私なのです。

リーダーシップ勉強会は社内の誰でも受けることが出来る自由参加型の勉強会です。
今年もより多くの社員さんが参加してくれて、様々な意見を掘り下げていきたいと思います。

2019年あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

くろがね産業も無事に2019年を迎えることができました。
これもひとえに、お取引先の皆さまをはじめ、社員およびそのご家族、地域社会の皆さまに支えられているおかげです。
本当にありがとうございます。

さて、今年2019年の干支は「己亥(つちのと・い)」です。
2018年の「戊戌(つちのえ・いぬ)」が茂ったものを伐採して風通しを良くする=隠れていたものが見えてくる、という年でした。
思い返せば、昨年は仮想通貨の不正流出によるシステム脆弱性、西日本豪雨災害を引き起こした地球温暖化に起因するとおもわれる異常気象、日産前会長ゴーン氏の不正など、様々な問題が露見しました。

そして2019年の「己亥」は「さらに明確な改革が急速・極端に起きる」年だそうです。
2018年の「戌」の年に現われた改革や革命の芽が、翌年の「亥」に一気に爆発する変化の最終局面の年といわれています。
そしてその爆発する大きなエネルギーを「己」、すなわち「紀」によって、紀律を正して発展へと繋げていくことが大切です。

くろがね産業は2017年より3カ年計画を「BASIC3」と称して、今後の100年企業のための基礎を固める3年としています。
1年目は【深化】。
あたりまえのことを徹底することが「差別化」であるとし、挨拶など人として正しいことを徹底して追求する。
2年目は【進化】。
前年のあたりまえのことをさらに進め、くろがね産業としてのアイデンティティを確立する。
3年目は【文化】。
人として正しいことを基準にして立ち居振る舞いができ、大家族主義の経営、全員参加の経営が企業文化として定着する。
というものです。

2年目の今年は進化、EVOLUTIONです。
まさに「己亥」の年にふさわしいですね!

「亥」の秘める大きなエネルギーによる変化が吉と出るか凶と出るかは、今まで何を積み重ねてきたかということに大きく起因します。
今まで積み重ねた紀律によって、大きなエネルギーを制御して良い方へ向けなければなりません。
昨年11月には我が社の「人として何が正しいか」という行動指針50項目をまとめた「くろがねフィロソフィ」も完成(また本ブログで紹介します)し、くろがね産業は愚直に地味なことをコツコツ積み上げてきました。
くろがね産業に集う仲間たちがこの「くろがねフィロソフィ」を愚直に実践していく。そういった積み重ねが成果となって大きく花開く良い年にしたいと思います。

本年もお取引先様の視点で考え、社員の幸せを追求し、地域社会に貢献し続けるという基本を大切にしながら、関わるすべての人を幸せにし続ける会社づくりを進めていきます。
どうぞ引き続き応援をお願い申し上げます。

経営計画のつくりかた

くろがね産業は8月で事業年度が終わるため、この時期から来期の計画を立案していきます。

各部門から選抜メンバーを招集し、今期の着地予想を元に各部門で必要な利益、経費、売上を試行錯誤しながら決めていきます。

今回も1泊2日の合宿を実施しました。

残す利益は不変とし、投資計画による固定費、取り巻く市況による変動費の設定、そこから必要な売上高の算出・・・利益から逆算して必要売上高を組立て、更に売上から差し引いて利益がいくら残るのか。下から計算し、上から検算し、を繰り返して固めていきます。売上増の計画に無理はないか、固定費をどれだけ使いどれだけ抑えるのか、変動費率は・・・数字、数字、数字、、、の作業です。

昔は経営トップの私が会社に籠もって決定した計画を現場におろしていくだけでした。そうすると、必ず未達になる(笑)。

それもそのはず、必要な情報はすべて現場にあるため、一番分かっているのは現場の社員さんなのです。与えられた数字に現場の意志が反映されていることもなく、どことなく他人事になってしまいます。

「全員参加の経営」を行うと覚悟を決めたときから、損益計算書の勉強会を始め、経営数値をオープンにし、皆が考える理想の会社を創るため全員で経営を考えるようにしてからは、各個人に責任感が芽生え、達成意欲も高まってきたと感じています。

自分の努力の先に「こうなりたい」という目標の実現がある。

経営に参画している実感がある。

そんな会社運営を目指してやっていますが、やはり数字を決めるには頭を使います。気のせいか、みんな頭から煙が出ていました(笑)。

ですから、
そんな疲れた頭を
リフレッシュするために
夜はコンパ!

仕事の話が中心になるのは、

皆が真剣に
仕事に向き合ってくれているから

だと思います。

頼もしいです!

2日目は、前日つくった数字を
達成するための行動を考えます。

計画達成のためのワークフローから、
それぞれに必要な具体的行動と行動量を考え、
KPI(主要業績評価指標)を設定していきます。

前の記事でも書きましたが、「できちゃうかも」と思えるように目標を分解していくのです。

ここが一番大変なところですので、これは3週間後の全員参加の合宿で詰めていきます。

なぜ合宿形式なのか。

計画を立てるだけなら会社でも出来るし、泊まりにする必要もないのです。

でも、一つ屋根の下で寝食を共にし、コンパを行い、気になる点があれば深夜でも集まって話し合う。

そうすることで、くろがね産業のもうひとつの経営の柱である「大家族主義経営」が醸成されていきます。

「全員参加の経営」と「大家族主義での経営」は両輪なのです。

ということで、行動計画策定合宿についてはまたの機会に書きますね。

大家族主義

最近、一気に暖かくなってきて、岡山の南部では桜も葉桜になってきています。

新年度が始まる4月としては、暖かく、氣持ちのよいスタートが切れそうですね!

くろがね産業でも、4月より新たに3名の新人を加え、改めて氣を引き締めて業務に邁進していきます!

彼らの初出社が4月2日の月曜日。

入社辞令を渡して、まずは代表の私から「何のために働くか」ということを伝えます。

採用選考のときにも何度も伝えてきたことですが、くろがね産業で働くにあたってしっかり考えなければならないテーマですので、復習として改めて話をしました。

これからの人生は仕事に大半の時間を費やすことになります。

では、何のために働きますか?

生活のため?

でも、社会人になれば、これからの人生は仕事中心になります。

人生=仕事です。

仕事=生活とすると、人生=仕事ですから、結果的に人生=生活になります。

生活のために人生があるのか?人生を生活に捧げるのか?

でも、「人生お一人様一回限り」です。

だからこそ、充実した人生を送りたい。そのためには、仕事を充実させることが大切です。

仕事を充実させるにはどういう考え方が必要か。

仕事を好きになるにはどうすべきか。

会社とはどうあるべきで、自分自身はどのような立ち居振る舞いをすべきか。

なぜ会社は発展していかなければならないのか。

そのようなことをじっくり時間を取って話をしました。

そしてそれは、私自身の内省にもなります。

夢と希望を抱いて入社してきてくれた彼らを、何が何でも幸せにしなければならない、と身が引き締まります。

くろがね産業は、「大家族主義」を経営の柱のひとつに掲げています。採用にあたっては、一生お付き合いをする覚悟で採用しますので、彼らのご両親、兄弟も含めて幸せにしたいと考えます。そして、彼らが結婚すれば更に家族が増えていきます。

改めて、責任の重大さを思い知らされると同時に、彼らが幸せになってくれることにワクワクします!

いま、くろがね産業に集う仲間は、たまたま偶然に求人に応募し採用されただけかもしれません。

しかし、そうであっても、くろがね産業で知り合った瞬間、家族になります。

お互いの幸せを願い、支え、叶えていくことになります。

それは、「縁尋機妙 多逢聖因」というものです。

彼らの幸せを願うとともに、会社として、会社を代表する者として、立派な会社、皆が思う理想の会社を創っていくことを、ここに誓います。

努力の方向

くろがね産業は3月から下半期に入りました。

くろがね産業では3ヵ月毎に全社員で集まって業績の報告、確認を行う「四半期業績報告会」を開催しています。

狭い事務所にギュウギュウに押し詰められた状態になりますが、皆真剣に発表し、共有し、議論します。

年次の数値計画、行動計画も全員で作成しているので、当然進捗の確認もしなければなりません。自分の日々の努力が会社の経営にどう結びついているのかが分からなければ、全員参加の経営とは言えません。

では、そもそも「経営」とは何なのか。

皆の努力がどう反映されているのかということを知るには、定量化が一番分かりやすいです。そういう意味では数字は正直です。

しかし、数字は数字でしかありません。その数字の背後に何があるのかを考えることが大切であり、「だから何が言えるのか」を明確にしていくことが「経営」です。

「目標数値に達していないけど、残業もたくさんしたし、一生懸命ヘトヘトになるまで働いたから、頑張ったでしょう!!」

ではダメなのです。確かに頑張ったかもしれませんが、それで結果が出ていなければそもそも努力の方向が違うのです。

そう、努力には方向があるのです。

だから、「正しい努力」をするためにも、都度振り返りながら「この努力の方向で大丈夫か?」ということを確認する必要があります。

皆の努力を見ているからこそ、頑張った部分を評価してあげたい氣持ちになりますが、やはり努力と結果が揃ってはじめて評価しなければなりません。そうでなければ、「間違った方向でもいいんだよ」という無言のメッセージを発していることになります。それは小善です。

大善を成すには厳しい目が必要ですし、勇氣も必要です。しかし、その根底には愛情を備えていることが大前提です。

厳しいことを言うのも結構しんどいものなんです。

仕事を通じて人生をハッピーにすること

今朝の朝礼風景。

くろがね産業では、「考え方」を大切にしています。

会社というのは勝手に成長しません。「箱」、「容れもの」でしかないわけですから、そこで働く人たちが何を思い、どう考え、行動するかによって会社の社風や成長が決まります。

特にわれわれは、経営の柱として「全員参加の経営」を謳っているのですから、社員一人ひとりが人として正しい立ち居振る舞いをし、愛と誠と調和の精神を発揮していく必要があります。

そのためにも、毎日朝礼で「フィロソフィ」といわれる、「人として正しい考え方」を確認しています。

一例を挙げれば、

「素直な心をもつ」

「仲間のために尽くす」

「利他の心を判断基準にする」

といったことです。

そして毎週末の朝礼では、グループに分かれてこの一週間のテーマについて各々思うことを発表、共有していきます。

人生のなかで、会社で働く時間はとても長いです。もしかしたら家族と過ごすよりも長いかもしれません。その人生の大半を占める仕事の第一義が、「給料という対価を得るためのもの」というのではつまらない。

仕事を通じて人生をハッピーにしていかなければなりません。

その仕事に従事するうえで、同じ会社で働く仲間は欠かせないものです。仕事は独りではできません。

だから、同じ会社で働く仲間がどういう価値観をもっていて、何を思い、人生をどのようなものにしていきたいのか、ということを知っておくことはとても大切です。

生まれ育った背景も違う人たちが、偶然にもくろがね産業という「箱」に集まって仕事をしている。しかしそれは目に見えない何かの「縁」によって導かれたものです。この「縁」を良縁としていかなければなりません。

大切な仲間だからこそ、お互いをより深く理解し、家族のような関係を築いていくことが必要なのです。

まさに

「切するが如く磋するが如く、琢するが如く磨するが如し」

という関係です。

会社の人には言えない、ではなく、会社の人だからこそ打ち明けられる、という関係が理想です。

言いたいことを言い合えて、お互いに相手のことを思って言っていると理解できている関係が理想です。

自分のために頑張るだけではなく、それぞれが自分以外の仲間のために頑張るという関係が理想です。

このようなことを通じて、人格が磨かれ、成長していくことで、今まで見えなかった世界が見えるようになったり、自分が必要とされているという実感を得られるようになったりします。

そうすれば、人生はより素晴らしいものになるのではないでしょうか。

それが、くろがね産業が経営のもう一つの柱としている「大家族主義で経営する」ということです。

われわれが朝礼で「フィロソフィ」を共有する理由は、この「全員参加で経営する」と「大家族主義で経営する」という経営の2本柱を実現するためにとても大切にしているからです。

そして、それは私たちが「仕事を通じて人生をハッピーにする」ということを叶えるためなのです。

望年会

くろがね産業は12月28日が仕事納め。

毎年最終日に望年会をやっています。

くろがね産業では忘年会ではなく「望年会」です。新年を迎えるにあたって希望を抱いて更なる飛躍を、という前向きな氣持ちで開催しています。

いつもお世話になっている「はまゆう」さんで、希少な日本酒の飲み放題というコースをいただきます。

特別に幻の酒といわれる「十四代」を4本も用意していただきました。本当にありがたいことです。しこたま飲みました(笑)。

望年会では、今年の反省と来年の抱負を各自発表してもらいました。

ウチの重鎮から「もっと変わらなければダメだ!」という厳しくも愛情のある言葉も出ましたが、みんな真摯に受けとめていました。まだまだ伸びシロがいっぱいある会社です。

「我、日に三度我が身を省みる」とは孔子の弟子の曾子の言葉ですが、反省ある毎日を送り、そこで得た氣付きを実践することが大切です。

私は事ある毎に「会社はただの容れ物、箱でしかない」と伝えていますが、勝手に会社が良くなったり大きくなったりすることはありません。そこで働く人の成長が会社の成長です。だから、今までと同じように仕事をしていてはいつまでたっても会社は良くならないのです。一日一歩でも前に出ていくことが大切なのです。

そういった真面目な話も交えながら、懇親を深めていくのがくろがね産業のスタイルです。私たちが目指す「大家族主義の経営」にこういった飲み会、コンパは欠かせません。

他の人がどのような価値観をもっていて、どのように仕事に向き合っているのか、どんな悩みを抱え、どうやって乗り越えようとしているのか。

そういうことは、なかなか普段の仕事の中では深く知ることができません。お酒の席で胸襟を開いて話をすることではじめて知ることもあるのです。

ともに働く人がどういう思いをもっているのかをお互いに理解することで「仲間」となり、「家族」となれればいいなと思っています。

もちろん望年会は今年1年間の慰労の意味もあり楽しく飲んでもらうことが基本ですから、有志で仕込んできたりもします。

こういうことができるのも「楽しませたい」という利他の心からですね(笑)。ありがたいことです。

今年も残すところ僅かですが、できることは最後まで精一杯やって、晴れ晴れとした氣持ちで新年を迎えたいと思います。

リーダーシップ勉強会はじめました

くろがね産業では今期から「リーダーシップ勉強会」をはじめました。

リーダーシップとはそもそも何なのでしょう?

組織をまとめるには、そのリーダーが組織を正しい方向に集団を導いていく必要があります。

目標を設定し、正しい判断をし、メンバーに参画を促し、結果を出す。

簡単に言えばそんな役割でしょうか。

リーダーが判断を誤れば、組織は間違った方向に行ってしまいます。混乱し、バラバラになってしまうかもしれない。

しかし、小規模の会社においては、社歴や年齢によってリーダーに収まることが多々あります。リーダーとはどうあるべきか、を理解していない人がリーダーをしてしまう。そうなると組織の活性は失われてしまいます。

だから、くろがね産業では、リーダーとなる人にはリーダーシップが備わっていること、つまり高い人格が求められます。

社歴や年齢で安易に決めない方針にしています。

 

リーダーシップは何も組織の長だけが発揮すればいいものではありません。

たとえば、飲み会や社員旅行など社内行事の幹事をする際、渦の中心となって周囲を巻き込んで進めていく必要があります。

これはまさにリーダーシップです。

リーダーとはどうあるべきかという知識を学ぶとともに、小さな経験を積み重ねていくことが大切だと思います。

学びと経験。両輪なのです。

 

記念すべき第1回は、職長に加え、入社2年目の若手女性社員も参加してくれました!その姿勢が素晴らしい!

「リーダーとして目標をいかに実現するか」について学び、考え、共有しました。

まだまだ、はじまったばかりなのでこれからどんどん深化させていきます!

社員さん全員が、それぞれの持ち場、役割で、自発的にリーダーシップを発揮していく。

そんな会社をつくっていきたいと思います。