くろがね産業には、毎月「致知」という雑誌が全従業員分届きます。
以前は「社内木鶏会」といって、月に1度、1時間の時間をとって毎月の読書感想を共有していました。
ここで重要なのは「美点凝視」ということ。他の人の感想を批評や否定はせず、ひたすら良い点を見ます。
人には長所と短所があります。美点凝視は長所伸展の人財育成です。くろがね産業で働く全員が長所伸展の視点で関わり合うことができれば、活気に溢れた素晴らしい会社になると思い実施していました。
社内木鶏会は約2年半実施していましたが、自社の行動規範「くろがねフィロソフィ」の制定と浸透に時間を割くために、現在は一時期お休みしています。
しかし、致知だけは毎月皆に配布しています。
それはなぜか。
人生を歩んでいくうえでは色々なことがあります。嬉しいこともあれば壁にぶつかって彷徨うこともある。そして、出口が見えずもがいているときに助けになるのは「言葉」だと思っています。
どのような言葉に出会うか。どのような言葉が救ってくれるのか。それは各個人によって違います。しかし、「どこの誰が言っていたか、どこに書いてあったかも忘れてしまったけど、こういう言葉があった」ということが救いになるのです。座右の銘とはそういうものですね。
実際に私もある言葉に勇気をもらい救われた経験があります。
だから、毎月読まなくても、悩んだときにふと横を見るとこの雑誌があって、何気なく手に取ったときに響けばいいと思っています。人はどこでスイッチが入るか分かりませんから、その瞬間に助けになればいいと思って全員分購読し続けています。
最新の2018年1月号。
テーマは『仕事と人生』です。
シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチの井村雅代さんの講演を文字におこした記事にはシビれました。
『三流の人は流行ばかりを追いかけます。二流の人は、新しい流行が来た、どちらがいいだろうと考えます。けれども一流は道を創るんです。三流は道に流され、二流は道を選び、一流は道を創る。』
一流は道を創る。どんな困難があっても、周囲に理解されなくても、確固たる信念を唯一の頼りに道を創っていかねばならないのだなと。
そして道を創る過程で人間力が培われていくのでしょうね。
自分はまだまだ学びと実践が甘いなと反省しております。